Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
」
野童は暗い顔をいよいよ暗くして答えた。
「染吉です。」
「ああ、染吉か。」とわたしは二十三四の、色の白い、眉の力んだ、右の目尻に大きい黒子のある女の顔をあたまに描いた。
「それについて、今夜出ましたのですが……。」と、野童は左右へ気配りするように声をひそめて言い出した。「あなたはなんで冬坡君をお調べになったのでしょうか。」
わたしはすぐには答えないで、相手の顔を睨むように見つめていると、彼は恐れるように少しためらっていたが、やがて小声でまた言いつづけた。
「さっき寺の横手で、あなたにお目にかかった時に、どうもなんだかおかしいと思いまして、あれから冬坡を或る所へ連れて行って、いろいろに詮議をしますと、最初は黙っていて、なかなか口をあかなかったのですが、わたくしがだんだん説得しましたので、とうとう何もかも白状しました。」
「白状……。なにを白状したのかね。あの男がやっぱり清月亭のむすめを殺したのか。」と、わたしはもう大抵のことを心得ているような顔をして、探りを入れた。
「まあ、お聴きください。御承知の通り、冬坡はおふくろと弟と三人暮らしで、大して都合がいいというわけでもなく、殊におとなしい性質の男ですから、自分から進んで花柳界へ踏み込むようなことはなかったのですが、商売が煙草屋で、花柳界に近いところにあるので、芸妓