Japanische Klassiker mit Furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
辰子はかの教員と相思の仲であったところ、その男が突然に死んでしまったので、辰子はひどく悲観して、おなじ運命を選んだのであろうという。それが一番合理的な推測で、現に僕もあの林のなかでまず辰子に逢い、それからあの教員に出逢ったのから考えても、個中の消息が窺われるように思われる。
しかしまた一方には教員と辰子との関係を全然否認して、いずれも個々別々の原因があるのだと主張している者もある。僕の兄なぞもその一人で、僕とてもかのふたりが密会している現状を見届けたというわけではないのだから、彼等のあいだには何の連絡もなく、みな別々に小袋ヶ岡へ踏み込んだものと認められないこともない。そんなら辰子はなぜ死んだかというと、かれは山木のひとり娘で、家には相当の資産もあり、家庭も至極円満で、病気その他の事情がない限りは自殺を図りそうなはずがないというのだ。こうなると、何がなんだか判らなくなる。
さらに一つの問題は、Mという中学教員が腰をかけて死んでいた石と、辰子が腰をかけて死んでいた石とが、あたかも同じ石であったということだ。そのあたりには幾つかの石が転がっているのに、なぜ二人ともに同じ石を選んだかということが疑問の種になった。