Japanische Klassiker mit Furigana
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いほうじんのいよく
異邦人の意欲
豊島 与志雄
Lesen Sie 異邦人の意欲 (いほうじんのいよく) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.193 Zeichen · 11 Bildschirme
植村諦君の詩集「異邦人」は、近頃読んだもののうちで、感銘深いものの一つだった。
植村君の詩は、詩として上手なものではない。言語の駆使、イメージの喚起など、普通の作詩法的技巧において、苦心の足りない所がないでもない。然し、そういう技巧を超越して、簡明率直に歌っているところに、独特のリズムと清澄統一が獲得されている。殊に嬉しいのは、作者の意欲の力と純潔とが、作詩過程によって少しも乱されていないことである。この、意欲の力と純潔とが芸術的表現の過程によって乱されないということは、それだけで既に大したものである。
ところで、植村君の意欲は何であるか。それは、「異邦人」が「祖国」を求むる欲求である。
波止場に待っていた乞食は
船がつくと駆けよって
この俺にさえ物をねだってくれる
俺にまだ人に与えるものが残っているというのか
恋人も、親友も、ふるさとも
みんな捨てて来た俺に
ああそうだ
「友よ、手を握ろう。」
漂泊人の俺には
この友情だけが残っていた。
この漂泊人は、丸ビルの二階で、「紳士や貴婦人や美しく着飾った令嬢や若者が、花びらのように流れてゆく」のを背後に感じながら、「何かぐっとこみあげてくるものを堪えながら、」