Japanische Klassiker mit Furigana
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いほうじんのいよく
異邦人の意欲
豊島 与志雄
Lesen Sie 異邦人の意欲 (いほうじんのいよく) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.193 Zeichen · 11 Bildschirme
刄物屋の前に佇んで、そこに並べられてる白刄を一心に眺める。そしてふと気がついて歩きだす。――
此の蒙々とした群集の無智の総和の中に、
ああ俺は実に、きらめく一閃を欲していたのだ。
そして彼は、至るところに、浅ましい人間生活の相を見る。卑猥なチンドンヤ、ばかげた夜店商人、醜悪な乞食、その他、「食わんがために、肉を売り、媚を売り、自ら恥かしめて生きねばならぬ様々な人の姿、」「一切を、売る、買う、売られる、買われる、」生活の相……。そして彼は叫ぶ。
売るな、買うな、哀願するな
自らの必要なものをなぜ取らぬ
取るために戦う
その血潮の中にこそ
永い間見失っていた真実な人間の姿が
発見されるのだ。
然しその叫びは世に容れられない。ふるさとの人にさえも容れられない。そして時とすると、彼が軽蔑している無数のもののために、泣かされそうになる。
負けたくない!
頬をつたう涙線の数をかぞえ乍らぼうぜんと空を見ていると
おろかな人間を無性になつかしく思える日である。
然しそれは一寸の心のゆるみの隙間の日だ。彼はまた勇ましく立上る……。
植村君はその詩集の扉に、「祖国なきよろこびと悲しみと」