Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

女の方がせいが低いので、浜田はあたかも髪の毛の匂を嗅ぎでもするように、頭をぐっと斜めにかしげて、耳のあたりを綺羅子の横鬢に喰っ着けている。綺羅子は綺羅子で、眼尻に皺が寄るほど強く男の頬ッぺたへ額をあてている。二つの顔は四つの眼玉をパチクリさせながら、体は離れることがあっても、首と首とはいっかな離れずに踊って行きます。

「譲治さん、あの踊り方を知っている?」

「何だか知らないが、あんまり見っともいいもんじゃないね」

「ほんとうよ、実際下品よ」

ナオミはペッペッと唾を吐くような口つきをして、

「あれはチーク・ダンスって云って、真面目な場所でやれるものじゃないんだって。アメリカあたりであれをやったら、退場して下さいって云われるんだって。浜さんもいいけれど、全く気障よ」

「だが女の方も女の方だね」

「そりゃそうよ、どうせ女優なんて者はあんな者よ、全体此処へ女優を入れるのが悪いんだわ、そんなことをしたらほんとうのレディーは来なくなるわ」

「男にしたって、お前はひどくやかましいことを云ったけれど、紺の背広を着ている者は少いじゃないか。浜田君だってあんななりをしているし、………」