Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

ば誠に当人も仕合わせでして、………」と云うような、何だか張合いがなさ過ぎるくらいな挨拶でした。全くこれではナオミの云う通り、会う程のことはなかったのです。

世の中には随分無責任な親や兄弟もあるものだと、私は、その時つくづくと感じましたが、それだけ一層ナオミがいじらしく、哀れに思えてなりませんでした。何でも母親の言葉に依ると、彼等はナオミを持て扱っていたらしいので、「実はこの児は芸者にする筈でございましたのを、当人の気が進みませんものですから、そういつまでも遊ばせて置く訳にも参らず、拠んどころなくカフエエへやって置きましたので」と、そんな口上でしたから、誰かが彼女を引き取って成人させてくれさえすれば、まあともかくも一と安心だと云うような次第だったのです。ああ成る程、それで彼女は家にいるのが嫌だものだから、公休日にはいつも戸外へ遊びに出て、活動写真を見に行ったりしたんだなと、事情を聞いてやっと私もその謎が解けたのでした。

が、ナオミの家庭がそう云う風であったことは、ナオミに取っても私に取っても非常に幸だった訳で、話が極まると直きに彼女はカフエエから暇を貰い、毎日々々私と二人で適当な借家を捜しに歩きました。