Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

「だけど浜田君、ナオミは何処に居るんです? 僕は第一にそれを聞かして貰いたいんだ」

「それが何処と云って、極まった所がある訳じゃなく、彼方此方を泊り歩いているんですよ」

「そんなに方々泊れる家はないでしょうがね」

「ナオミさんにはあなたの知らない男の友達が、幾人あるか知れやしません。尤も最初、あなたと喧嘩をした日には、熊谷の所へやって来たそうです。それも予め電話をかけて、コッソリ訪ねて来てくれるんならよかったんだが、荷物を積んで、自動車を飛ばして、いきなり玄関に乗り着けたんで、家じゅうの者が一体あれは何者だと云う騒ぎになったもんだから、『まあお上り』とも云う訳に行かず、さすがの熊谷も弱っちゃったと云っていました」

「ふうん、それから?」

「それで仕方がないもんだから、荷物だけを熊谷の部屋に隠して、二人でともかくも戸外へ出て、それから何でも怪しげな旅館へ行ったと云うんですが、しかもその旅館が、この大森のお宅の近所の何とか楼とか云う家で、その日の朝もそこで出会ってあなたに見付かった場所だと云うから、実に大胆じゃありませんか」

「それじゃ、あの日に又彼処へ行ったんですか」