Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

なんて呼びつけにしないで、『ナオミさん』と呼ぶか」

「呼ぶ」

「きっとか」

「きっと」

「よし、じゃあ馬でなく、人間扱いにして上げる、可哀そうだから。―――」

そして私とナオミとは、シャボンだらけになりました。………

「………これで漸く夫婦になれた、もう今度こそ逃がさないよ」

と、私は云いました。

「あたしに逃げられてそんなに困った?」

「ああ、困ったよ、一時はとても帰って来てはくれないかと思ったよ」

「どう? あたしの恐ろしいことが分った?」

「分った、分り過ぎるほど分ったよ」

「じゃ、さっき云ったことは忘れないわね、何でも好きにさせてくれるわね。―――夫婦と云っても、堅ッ苦しい夫婦はイヤよ、でないとあたし、又逃げ出すわよ」

「これから又、『ナオミさん』に『譲治さん』で行くんだね」

「ときどきダンスに行かしてくれる?」

「うん」

「いろいろなお友達と附き合ってもいい? もう先のように文句を云わない?」

「うん」

「尤もあたし、まアちゃんとは絶交したのよ。―――」

「へえ、熊谷と絶交した?」

「ええ、した、あんなイヤな奴はありゃしないわ。―――これから成るべく西洋人と附き合うの、日本人より面白いわ」