Japanische Klassiker mit Furigana
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らい
癩
島木 健作
Lesen Sie 癩 (らい) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.753 Zeichen · 74 Bildschirme
老人はにやにや笑って答えないが、若者の一人が真面目くさって考えこみ、多少ためらった末に「そりゃ、ごっつぉうの方がええ」と答え、「わしかてその方がええ」ともう一人の若者がそれに相槌を打つのを聞くと、その男は怒ったような破れ鐘のような声を出して怒鳴るのであった。「なんだと! へん、食いものの方がいいって! てめえたち、ここへ来てまでシャバにいた時みてえに嘘ばっかりつきやがる。食いものはな、ここにいたって大して不自由はしねえんだ、三度三度食えるしな、ケトバシでも、たまにゃアンコロでも食えるんだ、……女はそうはいかねえや。てめえたち、そんなことを言う口の下から、毎晩ててんこうばかししやがって、この野郎」それは感きわまったような声を出して、ああ、女が欲しいなァと嘆息し、みんながどっと笑ってはやすと、それにはかまわずブツブツと口のなかでいつまでも何事かを呟いているのであった
最後の一人はもう五十を越えた老人でふだんはごく静かであった。顔はしなびて小さく眼はしょぼしょぼし、絶えず目脂が流れ出ていた。両足の指先の肉は、すっかりコケ落ちて、草履を引っかけることもできず、足を紐で草履の緒に結びつけていた。