Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とざんのあさ

登山の朝

辻村 伊助

Lesen Sie 登山の朝 (とざんのあさ) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.521 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

それの向こうはベルクリシュトックから、左に並んで、ウェッテルホルンの三山、ここから見るとむろん、立派なのはまん中のミッテルホルンで、左のハスリ・ユンクフラウは、頂上の岩がこぶのように見おろされる。

朝の一時から何にも食べないんで、ちょっと休んだらもうがまんがしきれない、頂上は頭の上だが、そこにつづく鋭い山稜は切っ立てになってるから、ずいぶん骨が折れそうだ、四人とも言い合わせたように、リュックサックとにらめっこをしていたが、やせがまんなんかするやつは、ばかだということに評議一決して、氷の角によりかかって、一同早昼の食事にありつく。ところが、昨日今日雪の上で思い切りよくさらしぬいた顔の皮は、もとより尋常な皮膚のことで、ほてってほてってびりびりするし、こうなるとグレッチェル・クレームなどに至っては、いやが上にもきたなく見せるだけで、何の役にもたたない、それはいいが、件の顔で、肉をかじると、厚く切ったベイコンなんか、ほおばるほどには口が開けないし、無理にすると顔が火のつくように熱くける。

お茶がわりにコニャックと雪をかじって、一息入れた後、いよいよここを発って、急な鋭い氷の山稜にとっついた。