Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とざんのあさ

登山の朝

辻村 伊助

Lesen Sie 登山の朝 (とざんのあさ) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.521 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

私たちが一様にグレッチェルグラスをかけたのは、それからまもないことで、朝の日の溶け込んだ青空の下に、一面にまっ白な楯をついたクーロアールをよじ登るには、それなしには目がちらちらして、がまんにも歩けなかった。

頭の上には、雪のはげた山稜が仰がれる、そのギザギザにくずれ落ちた岩の裾から、末広がりにこのクーロアールがすべっている、その間々には、急な岩角がまっ黒に背を出して、取っつけそうな斜面を、いくつにも隔てておる、私たちは、ヘッスラーの意見で、ずっと右寄りに、グロース・ラウテラールホルンの方に近いクーロアールを登って行く、まるでアリでもはって行くように。

いくら登っても雪ばかりで、右へ、右へと、岩に隔てられた道をとって、――左側はなおさらに急に鐫ぐれているので、――もう足下になったシュレック・フィルンから、三時間半も登って、やっといくらか岩の現われた、山稜に近い急斜まで来た。この間には、ふりかえって朝日にきらめく山々を、撮影するために二、三度立ち休みしただけで、ろくに足を動かす余地もない急なクーロアールには、ゆっくりと腰をおろすような場所は少しもない。