Japanische Klassiker mit Furigana
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とざんのあさ
登山の朝
辻村 伊助
Lesen Sie 登山の朝 (とざんのあさ) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.521 Zeichen · 11 Bildschirme
Uchi ! とかChumucha ! なんて言葉が、飽きるほど聞かされた。Uchi は hinauf ! のスウィス語で、Chum ucha は Komm herauf ! である、がそれにつづいてガイドの間にくりかえされる言葉に至っては、この岩登りと同様に、私にはてんで見当もつかない。
岩はくずれてカミソリのように鋭くなっている、ずいぶん丈夫な切れ地を選んだつもりだったが、ロンドンで仕立ておろしのズボンには方々に穴があいて、下から血がにじんでくる、掌などは傷だらけだが、あぶなくて手袋などはめてはいられない、ただ満身の力を両腕にこめて、機械体操の要領で、ずり上がるよりほかに仕方はない。
小屋を発って、ちょうど八時間目に、やっと雪の山稜の直下に達した、考えてみると、あまり大事をとりすぎて、よほどグロース・ラウテラールホルンの方に片寄って登ったように思われる、そしてそれと、グロース・シュレックホルンとをつなぐ山稜の上は、あぶなくて通れないから、クーロアールに臨んだ崖に沿うて、はいずっておったのである。
山稜の上に残った雪の上に、荷をおろして一休みした、後ろはひどくえぐられた深い崖の底に、ラウテラール・グレッチェルがのぞかれる。