Japanische Klassiker mit Furigana
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しろいかべ
白い壁
本庄 陸男
Lesen Sie 白い壁 (しろいかべ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.697 Zeichen · 51 Bildschirme
杉本は狼狽してそれをひっこめようとした。
「言いたくないんだったら……」
川上忠一はうるさげにそれを途中で遮えぎると、たたきつけるようにがなった。
「船だよ!」
「船? 船とはどんな船だい?」
「ちえっ――わかんねえな」そう舌打ちして子供は度胸を据えるのであった。さあこうなったら何でも喋ってやるという風に、教師の顔を正面に見て語気をあらくした。「船は船じゃねえか! 大河をあっちい行ったり芝浦い行ったりする船じゃねえか。あたいがぎーっと舵をおしてんだ、あたいだって――」川上はそこでうすい唇をつきだし早口になっていた。「まちがわねえでくれ、泥船じゃねえんだからな、ちゃんとした荷船でよ、あげ羽丸てえんだ。でも、何だってそんな巡査みてえなことばかし聞くんだい?」杉本は蒼ざめて吸いかけているバットを揉み消した。「あたいらは正直もんだよ」と川上はさらにつづけた。「うそなんてこれっぽっちも言いやしねえよ、さ、早くかえしてくんな」
「儲かるかい!」杉本はそう言って話題を外らそうとした。
「儲かるもんか!」川上忠一は眉根をしかめてそれを即座に否定した。「発動機に押されっちゃって、からっきし仕事がまわってこねえんだよ、遊んでる日がうんとあらあ、遊んでてもしかたがねえんだけんど、何しろ仕事がねえんだからなあ、父だって辛いし、あたいだって