Japanische Klassiker mit Furigana
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しろくれない
白くれない
夢野 久作
Lesen Sie 白くれない (しろくれない) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.846 Zeichen · 50 Bildschirme
好的々々。汝が昔の恋人を血膾にして、汝と共に杯を傾けむ。外道至極の楽しみ、之に過ぎしと打笑ひつゝ起上りしが、遂に妾が計略に掛かりて、今の仕儀となり果て終りしものに侍り。
かく浅ましく汚れし身の昔を語るも恥かしや。さるにても鬼三郎ぬし。恋は昔にかはらぬものを。かく成り果てし吾身をいとしと思ひ給はぬにか。御身の思召一つにて、わらはの思ひ定むる道も変りなむ。わらはの真心の程は、和尚の死骸を見ても眼のあたりに思ひ知り給ふべしと、思ひ詰めたる女の一念。眥を輝やかす美くしさ。心も眩むばかり也。
われ喜ぶ事一方ならず。思はずお奈美殿の前にひれ伏しつ。有難し。忝し。世間の噂は皆実正なり。われと吾身に計り知られぬ罪業を重ねし身。天下、身を置くに処無し。流石法体の身の、かゝる処に来合はせし事、天の与ふる運命にやあらんずらん。われと解きし赤縄の糸の、罪に穢れ、血にまみれつゝめぐり/\て又こゝに結ぼるゝこそ不思議なれ。御身は若衆姿。わが身は円頂黒衣。罪障、悪業に埋もれ果つれども二人の思ひに穢れはあらじ。可憐の女よと手を取らむとすれば、若衆姿の奈美女、恥ぢらひつゝ払ひ除け。