Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろばなのあさがお

白花の朝顔

泉 鏡花

Lesen Sie 白花の朝顔 (しろばなのあさがお) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.880 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「音羽の滝が響くんでしょうが、秋色は見えないはずだ。そこに立っているんだから。」

「またなぶらはる……発句も知らん、地唄の秋色はんて、どないしょ。」

と、振返ると、顔をかくしたままの羅の紫を、眉が透き、鼻筋が白く通って、優睨みで凜とした。

花咲かば告げむと    いいし山寺の

使は来たり、馬に    鞍

くらまの山のうず    桜……

ふと、前刻の花道を思い出して、どこで覚えたか、魔除けの呪のように、わざと素よみの口の裡で、一歩、二歩、擬宝珠へ寄った処は、あいてはどうやら鞍馬の山の御曹子。……それよりも楠氏の姫が、田舎武士をなぶるらしい。――大森彦七――傍へ寄ると、――便のういかがや――と莞爾して、直ぐふわりと肩にかかりそうで、不気味な中にも背がほてった。

「やあ、洒落れてるなあ。」

――そのころは、上野の山で、夜中まだ取締りはなかったらしい。それでも、板屋漏る燈のように、細く灯して、薄く白い煙を靡かした、おでんの屋台に、車夫が二人、丸太を突込んだように、真黒に入っていたので。

「羨しいようですね……串戯じゃない、道理こそ。――来てごらんなさい、こちらの、西側へ俥を廻わしたのが、石段下に、変に遥な谷底で、熊が寝ているようですから。