Japanische Klassiker mit Furigana
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しろばなのあさがお
白花の朝顔
泉 鏡花
Lesen Sie 白花の朝顔 (しろばなのあさがお) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.880 Zeichen · 62 Bildschirme
大島絣に縞縮緬の羽織を着たのが、両袖を胸に合せ、橋際の柱に凭れて、後姿で寂しそうに立っている。横顔をちらりと視て通る時、東山の方から松風が吹込んだように思いました。――これが、お絹だったのです。
あとで聞くと、病気で休んでいて、それまでの座敷へは出なかった。髪を洗ったのもやっと昨日で、珍らしい東の客が、今日帰る、と聞いたので、急いで来たが、まだ皆夜中らしいから、遠慮をしていたのだというのが分りました。けれども、顔を洗って、戻るのに、まだおなじところに、おなじ姿を見ると、ちょっと二間ばかりの橋が、急にすらすらと長く伸びて、宇治か、瀬田か、昔話の長橋の真中にただ一人怪しい婦が、霞に彳んだようですから、気をはっきりと、欄干を伝うところを、
(目々、覚めてどすか。)
と清しい目で、ちょっと見迎えて、莞爾したではありませんか。私は冷りとしました。第一、目々が覚めたという柄じゃない、洗って来い、という面です。
閑静だから、こっちへ――といって、さも待設けてでもいたように、……疏水ですか、あの川が窓下をすぐに通る、離座敷へ案内をすると、蒲団を敷かせる。乗ったんですが、何だか手玉に取られた形で、腰が浮くと、矢の流れで危いくらい。