Japanische Klassiker mit Furigana
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はっけっきゅう
白血球
豊島 与志雄
Lesen Sie 白血球 (はっけっきゅう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.538 Zeichen · 24 Bildschirme
「あなた、何処かへ越しましょう。私もうこの家には一日も嫌ですわ。」
「そうだね。」と晋作は曖昧な返辞をした。
気のせいだと云えば云えないこともなさそうだったが、それにしても、女中部屋の押入はやはり不気味で変だった。その上、影法師に凝り出した晋吉の様子までが、心の持ちようで不気味にも思われた。
「だが、そんな筈はない。」――「然し、何だか変でもある。」
その間の去就に迷った心で晋作は、いい家があったら越してもよいと考えるようになった。気に入った家をわざわざ引越すにも当るまい、と昼間は思っても、夜になると、女中部屋のあたりが妙に陰々として感ぜられた。五十燭光の電球を買ってきて内密につけてみても、やはりそうだった。そして何だか押入のあたりが……。
「明日から家を探すよ。」と彼は秋子に答えた。
然しその明日が、一日々々と延びていった。でも一方で秋子は、出入の商人に空家探しを頼み初めた。
すると或る日、晋作の家へ突然刑事が訪ねて来た。
日曜日の午後一時頃だった。空家探しに出かけようと秋子に云われるのを、晋作はなお煮えきらない返辞ばかりして、その午前を愚図々々のうちに過してしまった。