Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆりのはな
百合の花
小川 未明
Lesen Sie 百合の花 (ゆりのはな) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.179 Zeichen · 9 Bildschirme
そしてその影が清水に映って、ダイヤモンドのような光りが、じっと見詰めていると、花ちゃんの母様の顔になるかと思うと、太郎には萩原の婆さんの顔に見え、花子にはやさしい叔母さんの姿に見えるかと思うと、太郎には勇の泣顔に見えて、花ちゃんは余りの慕わしさと、懐かしさにそこを立ち去ることを忘れました。太郎は又余りの悲しさと怖ろしさに家へ帰るのを忘れて、二人はじっと思い思いにその光りを見つめていますと、どこからか心をひきつけるような音楽の響がするのであります。忽ち花ちゃんの目には今までの怪しい光が、太郎の笑顔になって見え、太郎の目には花ちゃんの笑顔になって見えました。
「あれ!」と覚えず二人は叫んで互に手と手を握り合いました。なおも二人はじっと見詰めています。今度は太郎と花ちゃんの二人の顔がそこに並んで現われたのであります。この時二人は覚えず前に進み出て、その泉の中を覗きました。
「お花ちゃん!」
「太郎さん!」
「あれ、独楽が見える。」
「あれ、音楽がこの中で聞えてよ。」
「まだ光るものが見えて?」
「星の影が映ってる。」
「あれあれまた二人の顔が映ってよ。」
「お花ちゃん中へ入って見よう。