Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひゃくしょうのゆめ

百姓の夢

小川 未明

Lesen Sie 百姓の夢 (ひゃくしょうのゆめ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 7.278 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は、このごろ手に入れた若い牛のことを考えながら、土手によりかかって空をながめていますと、野のはての方から、大きな月が上がりかけました。空は、よく晴れていて、月はまんまるくて、昼間のように、あたりを照らしています。

「まあ、あんなに若い、いい牛は、この村でも持っているものはたくさんない。みんな俺の牛を見ては、うらやまないものは一人もない……。」と、彼は、いい機嫌で独り言をしていました。

すると、たちまち、あちらの方から太鼓の音がきこえ、笛の音がして、なんだか、一時ににぎやかになりました。

「不思議だ、もう日が暮れたのに、なにがあるのだろう?」と、彼は思って、その方を見守っていました。

村じゅうの人が総出で、なにかはやしたてています。そのうち、こちらへ黒いものが、あちらの森の中から逃げるようにやってきました。見ると、自分の家の牛であります。牛は、いつのまに小舎の中から森に出たものか、その脊中には二人の子供たちが乗って、一人は太鼓をたたき、一人は笛を吹いていました。

「いつのまに、子供たちは、あんなに上手になったろう?」と、彼は感心して、耳を傾けました。