Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくしょうやのすけのはなし
百姓弥之助の話
中里 介山
Lesen Sie 百姓弥之助の話 (ひゃくしょうやのすけのはなし) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.621 Zeichen · 99 Bildschirme
あれにはまだ相当に豌豆の原始味が残って居る。それも近頃はだんだん尠なくなってしまったが、浅草公園の瓢箪池の附近に行くと最近まであれを専門に売って居る露店があったものだ。弥之助はあすこへ行く度にあれを買い込んであたりはばからずひげ面にほおばりながら歩いて同行の人を冷々させたものだ、以前東京の市中で豌豆煮立と云って売り歩いたものだがこの頃ではそれも聞えなくなった、豌豆の本当の味は青い時分莢ごと茄でて食うにあるのである、莢ごとといっても莢豌豆とは別である、莢豌豆は今もどこでも栽培を禁止する事はなくお汁の実などにして莢ごとに食べる、だれも御存知の通りだが、赤豌豆は莢ごとに茹でても莢は食べられない、枝豆を食うようにして粒だけ食べるのである。
枝豆といえば枝豆の原料としての大豆も昔はこの辺でも盛んに作ったが、今ではこれも害虫の理由か或は大陸で大量製産がある為に引合わないせいか殆んど全く作らない、それが為に枝豆の食べられない事などは知れたものだが、味噌醤油の自家造も止まったし節分の豆まきの豆も無い、こういうものはすべて買った方が割に合う様になって居るのだろう。