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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひゃくしょうやのすけのはなし

百姓弥之助の話

中里 介山

Lesen Sie 百姓弥之助の話 (ひゃくしょうやのすけのはなし) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.621 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

弥之助は三十年来も自炊生活をして居るが、これは特種の性癖であって、決してうまい物を食べ度い贅沢から来て居るのでは無いけれども、その性癖の結果、弥之助独特の美味求真術を悟ったという次第である。

一体物それ自身の美味は、生の物に備わって居るに相違ない、だから生食が自然だというのは、一理窟あるけれども、また半面を忘れた大きな欠陥もある、これに就いて弥之助は一つの大きな失敗談を持って居る。それは次のような話である。弥之助が二十何歳の時分の事であった、東京附近の或るお寺の若い住職で生食をもっぱらとする僧侶があった、豆類や野菜を洗って生の儘、重箱に入れて置いて、絶えずそれを食べて一切の火食をしない、そこに本当の味があり健康があるという話を聞いたから、弥之助はその僧侶を尋ねて、生食の福音を聞きその儘東京へ帰って、直ちに実行して見たが、たちまち激烈に胃を痛めて今日迄その負傷が残って居る、生食に一面の真理はあるにしてからが、それを行うに体質と心境と環境と歴史を考えなければ、却って身体を損うようになってしまう、今の人間が純生食をやって見ようとするには、火食に慣らされた胃の腑を徐々に訓練してからでないと、却って有害な結果を見るのである、だから、弥之助は生のものそのものに本来の美味があると云われたからとて、現代人に向って直に