Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひゃくせん
百銭
宮本 百合子
Lesen Sie 百銭 (ひゃくせん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.892 Zeichen · 6 Bildschirme
一緒にいる若い女のひとは小猫のような感じで、甘え切って合点合点をし、ぱっと睫毛の反った眼で人々を見廻している。対手が、そのひとの全存在を心の上にたっぷりと抱きかかえ、実に混りけない歓びで愛す者に買ってやれる品々を話しているのを聞いていたら、何だか彼が持とうとしている金は、世間に通用するただの金ではないような気持がして来た。彼の心持には金そのものが儲かるという世俗な利慾の跡などは微塵もなく、さあこれで買って遣るぞ! という明るい濃やかな勢こんだ生活の嬉しさがキラキラ燦き渡っているのだ。金がただの金というだけでない、彼のその女のひとに対する愛が金までを一種独特な優しさ、可愛さ、真心あるものに感じさせたのだ。彼の純粋なよろこびは、ききてに忘れ難い感銘を与え、思い出すたびにこの世には祝福された金というものも間々あることを嬉しく心に味わわせる力を持っている。
金のことについて話すのをきき、こんな感銘を与えられたことは珍しいことであった。
この印象からいろいろ思い出すことがあった。全然わけは違うが、やはり金ならぬ金とでもいうような連想の一つとして――
六つか七つ時分、祖母が田舎に一人暮していて、時々上京して来る。