Japanische Klassiker mit Furigana
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すかいさんきこう
皇海山紀行
木暮 理太郎
Lesen Sie 皇海山紀行 (すかいさんきこう) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.720 Zeichen · 24 Bildschirme
思ったより楽に登れそうなので喜んだ。寝しなに雨戸の隙間からのぞくと灰色の鱗雲が空一面に瀰漫して、生ぬるい風が吹いて来る。あまり面白くない天気だ。
明くる十七日の朝六時四十分に出発した。空は曇って少し霞んでいる。原まで戻って尾根に登る道の入口を尋ね、畑の間を通り抜けて、山の側面をやや急に二百米も登ると尾根に出た。七時十分である。いい道だ、殊に尾根に出てからは一層よく、左右は唐松の植林である。靄が次第に深くなって附近の山がぼうと遠のいて来たと思うと雨がポツポツ落ちて来た。八時十分には千二百二十六米の三角点の下に着いた。このあたりは尾根が広く平で高原状を呈し、植林の道が縦横に通じている。もうこの附近から木の葉は皆落ちていた。小屋で二十分ほど休んで八時半に出発する。暫く登って尾根に出ると右の方にも道が通じている。何気なくそれを辿って行くと、しだいに右に迂廻して少しずつではあるが、しだいに下って行く。右手の谷間には人家が現われた。小滝や銀山平であるらしい。八、九町も逆戻りするのは億劫であるから、左手の水の流れる窪を択んで、二丈近く伸びた唐松林の中も尾根の方へと登った。