Japanische Klassiker mit Furigana
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とうなん
盗難
江戸川 乱歩
Lesen Sie 盗難 (とうなん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.320 Zeichen · 25 Bildschirme
「君はなんにも知らないもんだから、おれの居所をつき止めようとしてついて来たのだろうが、そんなことをしちゃ大変だぜ。君んとこの大将の身の上だぜ。信者をだましてまき上げた寄附金をにせ札とすり替えた奴と、それを盗んだ奴と、どちらが罪が重いか、いわなくても分るだろう。君、もう帰った方がいいぜ、帰ったら大将によろしく伝えて呉れ給え、おれが一度お礼に行きますといっていたとな」
そういったまま男はさっさと向うへ行って了いました。私は三枚の百円札を手にして長い間、ぼんやりと衝立っていました。
なる程、そうだったのか。それですっかり話しの辻つまがあう訳です。今の二人が同類だとしても不思議はありません。主任が度々警察へ様子を聞きに行ったなんて、皆出たら目だったのです。そうしておかないと、ほんとうに警察沙汰になって、泥坊がつかまっては、にせ札のことがばれて終いますからね。予告の手紙が来た時にも驚かなかったはずです。にせ物ならこわくはありませんや。それにしても、山師だったとは思いましたが、こんな悪事を働いていたとは意外です。先生、ひょっとしたら例の相場に手を出してしくじったのかも知れません。