Japanische Klassiker mit Furigana
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もうもくものがたり
盲目物語
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme
ものはござりませなんだ。ましてとのさまは、おれにこうさんしろなどゝはぶれいなことを申すやつだと、上人にむかってれっかのごとくいきどおられまして、勝つも負けるも時の運であるのは申すまでもないこと、それをおのれらにおしえられようか、世が世ならば猿面かんじゃめをあべこべに追いつめて腹をきらせてくれようものを、さくまげんばがおれの云いつけを守らなんだために賤ヶ岳においておくれをとり、猿奴にてがらをえさせたのは無念である、たゞこのうえは天守に火をかけて自害をするから、最後の様子をのちの世の手本に見ておくがよい、もっとも城には十余年来たくわえておいた玉薬がある、これが燃えたらおびたゞしい死人を出すだろうから、寄せ手はもっと陣をとおくへ引いていろ、おれはむやくのせっしょうをしたくないからそう云うのだ、かえったらひでよしにきっとそのむねをつたえておけとおっしゃって、さっさと座を立ってしまわれましたので、お使者もとりつくしまがなくて逃げだされたのでござりました。わたくしそれをきゝましたときは、たった一つのたのみのつなも切れましたことゝて、うらめしいやらなさけないやらでござりましたけれども、こうなってはむざんやおくがたのおいのちもないにきまった、この上は三途の川のおともをしてすえながくおそばにおい