Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

ところがおかしみなのでござりましたが、なみいるかた/″\の賑やかなおこえにまじって、おくがたのおわらいなさるおこえがきこえますときは、「あゝ、すこしはごきげんがよいのだな」とおもいまして、どんなにわたくしも勤めがいがありましたことか。なれどもたいへん悲しいことには、おい/\日がたつにつれまして、いくらわたくしが新しい手をかんがえましておもしろおかしくまってごらんにいれましても、「ほゝ」とかすかにえまれるばかりで、やがてそれさえもきこえないことがおおくなってまいりました。

あるひのこと、あまり肩がこってならぬから、すこしりょうじをしてほしいと仰っしゃいますので、おせなかの方へまわりまして揉んでおりますと、おくがたはしとねのうえにおすわりなされ、脇息におよりあそばして、うつら/\まどろんでいらっしゃるのかと思われましたが、そうではなくて、とき/″\ほっとといきをついていらっしゃいます。こういうおりに、いぜんにはよくお話相手をいたしましたのに、ちかごろはめったにお言葉のさがることなどもござりませんので、たゞかしこまってりょうじをいたしておりましたけれども、それがわたくしにはなんとのう気づまりでなりませなんだ。