Japanische Klassiker mit Furigana
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もうもくものがたり
盲目物語
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme
べっしておふくろさまとしましては、まんぷく丸どのゝ御さいごのことをお忘れなく、いつまでもおいたみなされていらっしゃいましたが、なにぶん御自分のあさはかさから現在のお子を敵におわたしなされまして、あゝいうおかあいそうなことになったのでござりますから、だました人もうらめしく、だまされたわが身もくちおしく、なか/\おあきらめになれなかったらしゅうござります。それに福田寺へおあずけなされた末の若君もいまはどうしていらっしゃるやら。よいあんばいに信長公は此のお子のことを御存知なされませんでしたので、いったんはおのがれになりましたものゝ、乳のみ児のおりにおわかれなされましたきりその後の安否をおきゝにならないのでござりますから、口に出しては仰っしゃりませんでも、雨につけ風につけ、いちにちとしておあんじあそばさないときはなかったでござりましょう。そんなことから一そうひめぎみたちを世にないものにおぼしめしまして、ふたりの若君の分までもかあいがってお上げなされました。
京極さいしょう殿高次公は、ちょうどそのじぶん十三四さいでいらっしゃいましたでしょうか。