Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

ようなおかたではござりませなんだのに、しゞゅうおむねのおくふかくこらえてばかりおすごしなされましたのが、御自分でもおもいもうけぬときにはからずお口へ出たのかもしれませぬ。なれども小谷のころのことを十とせにちかい今となってもおわすれなさらず、これほどつよく根にもっておいでなされ、とりわけおん兄のぶなが公へそれまでのおにくしみをかけていらっしゃいましたとは。夫をうばわれ子をうばわれた母御のうらみはなるほどこういうものだったかと、わたくしそれをはじめて知りまして、もったいなさとおそろしさとにそのあとしばらくからだのふるえが止まなかったくらいでござります。

まだこのほかにもきよすにいらしった時分のことはおもいでばなしがかず/\ござりますけれども、あまりくだ/\しゅうござりますからこれほどにいたしておきまして、それよりのぶなが公のふりょの御さいごをきっかけに、このおくがたがふたゝび御えんぐみあそばすようになりました始終を申し上げましょう。もっとも信長公御せいきょのことはかくべつ申し上げませいでもあなたがたはよく御ぞんじでいらっしゃいます。あの本のう寺の夜討ちのござりました