Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

のだと申すおかたもござります。なぜかと申しますなら、ほっこくは冬のあいだは雪がふこうござりまして、ぐんぜいをくり出すことができませぬから、とうぶんは和ぼくのていにとりつくろい、らいねんの春ゆきどけを待って岐阜の三七どのとしめしあわされ上方へせめのぼるように、御そうだんがとゝのっておったのだと申すことでござります。まあどちらがどうやらわたくしどもにはわかりませぬが、当時ながはまには御養子いがのかみどのがこもっていらっしゃいましたのに、ひごろ勝家公にたいしうらみをふくんでおられましたよしにて、たちまち羽柴がたに同心なされ、おしろをあけわたしてしまわれましたので、上方ぜいはうしおのごとくみのゝくにゝらんにゅういたし、岐阜のおしろにせめよせたのでござります。北の庄へもしきりに知らせがまいりまして、櫛の歯をひくような注進でござりますけれども、十一月という極寒の折柄、そとはいちめんのおおゆきでござりまして、かついえ公はまいにちくちおしそうに空をおにらみあそばされ、おのれ、猿めがだましおったか、この雪でさえなくば、わが武略をもって卵を石になげるよりもやすく上方ぜいをもみつぶしてくれよう