Japanische Klassiker mit Furigana
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しんじゅとうのひみつ
真珠塔の秘密
甲賀 三郎
Lesen Sie 真珠塔の秘密 (しんじゅとうのひみつ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.661 Zeichen · 16 Bildschirme
「只今御眼にかけます」と云うが早いか、彼は壁の腰羽目の一部に手をかけたかと思うと、見よ。忽ち壁は開かれて、其の中に燦として一基の真珠塔が輝いて居るではないか。突如佐瀬は卓上の花瓶を取って怒れる眼鋭くハッシと許り橋本目がけて投げつけた。其時早く高田警部は佐瀬の腕を扼したので、的ははずれて、真珠塔に丁と当って、無残塔は微塵に散った。商会主の顔はさっと蒼白に変じた。其時橋本の凜とした声は響いた。
「イヤ御心配に及びません。それは偽物です」
× × × ×
「今度の事件は頗る簡単だよ。君」私が桜木町の彼の家に帰りついて、香の高い紅茶をすすりながら相変らずの彼の敏腕を賞めると、彼はこう云った。
「つまり二から一引く一さ。現場を見て第一に感じたのは、あれ丈の塔をスリ替えるのに窓からやると云うのは可怪しい。あの高い窓から塔を一つ運び出し一つは運び入れると云う事は、一寸不可能じゃないかね。それにもう一つ変なのは、硝子の音がしたので逃げたのではなく、逃げる時にこわした事だ。つまり偽物の塔は出し放しにして逃げたんだね。まるで忍び込んだのを広告するようなものだ。