Japanische Klassiker mit Furigana
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ままのてこな
真間の手古奈
国枝 史郎
Lesen Sie 真間の手古奈 (ままのてこな) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.631 Zeichen · 10 Bildschirme
「一人のお方は源次郎様と申して、この里を支配なされていられる、大庄屋のご次男様でございますし、もう一人のお方は喜之介様と申して、江戸の大きな絹問屋の、若旦那様にございます。源次郎様と喜之介様とは、お家がご親戚でありますので、久しい前から保養のために、喜之介様には源次郎様のお家へ、参られているのだそうでござります」
「成程」
と左衛門はいいましたが、いよいよその声には揶揄するような、皮肉な調子がありました。
「で、お前様にはお二人の中、どちらを愛していられますので?」
するとお蘭は物憂そうに、
「私はまことはどのお方をも、お愛ししているのではございません。ただお二人に同じように同時に愛を打ちあけられましたので、どちらの方へ靡いてよいやら、苦しんで居るだけにございます」
これを聞くと左衛門はいぶかしそうに、咎めるようにききました。
「二人ともお愛ししていられないなら、お二人へお前様の心を、お打ちあけなされておことわりなされたら、よろしいように思われますがな」
「はい」
とお蘭は申しました。
「でも私にはどういうものか、決心が付かないのでございます。はい、私にはどういうものか。