Japanische Klassiker mit Furigana
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いしころみち
石ころ路
田畑 修一郎
Lesen Sie 石ころ路 (いしころみち) von 田畑 修一郎 (たばたしゅういちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.254 Zeichen · 39 Bildschirme
その母親の来たとき、正代はぷいとどっかへ姿をかくしてしまった。
家の前の畑傍に四坪ばかりの小屋がある。トタン葺きで、板壁というよりほんの板囲いだ。窓らしいものがなくて、たぶん雨戸の古だろうと思われるようなものが押上窓のように上部にとりつけてあるきりだ。内部は半分は土間で、つくりつけの竈が二つ並んでおり、その隅にやはり竈の上にのっけて固めた工合の風呂釜がある。むろん煙出しなんかないので、しょっちゅう煙がこもっているし、どこも真黒に煤けている。後半分は畳敷と板の上に上敷をしいてどうにか部屋らしい体裁になっているが、そこが牧夫の民さんと白痴の昌さんとの住居だった。
僕は頭の悪いのは昌さんだけかと思っていたら、民さんの方もやはりそうだった。民さんは四十いくつだという、小柄で、顔も同じように小さいが、それなりに輪郭のととのった顔だった。毎朝牛をつれて山へ行き、夕方薪を背負って牛といっしょに帰えってくる。昌さんは三十を越しているというが、二十三四にしか見えない。そしてひょろ長い。眼はひどい斜視だが、いつも上瞼が垂れているのでどこを見ているのかわからない上に、まるで人を軽蔑している風に見えるのだった。