Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いしころみち

石ころ路

田畑 修一郎

Lesen Sie 石ころ路 (いしころみち) von 田畑 修一郎 (たばたしゅういちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.254 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

民さんはそのころの仲間である名士の子供を二三言った。生家は没落して、今では妹の嫁ぎ先きが池袋で果物屋をしているのがあるきりだという。

「一度そこへかえりましたが、またここへつれてこられましたよ。妹の家ではね、妹をおかみさんって呼ばされるんです。わたしが頭が悪いもんですからね、都合がわるいってね。わたしは叱られてばかりいましたよ」

と、民さんは例の溶けるような笑い声で言う。彼はまたその妹の家へやる手紙を書いてくれとたのんだ。母屋へ聞えないようにこっそり言うのだ。

「手紙をちっともくれないが、時々くれ。バタを去年送ったが、それは着いたか。だいぶ温かくなったので、薄いシャツを三枚送ってくれ。それからチョコレートと何か菓子を送ってくれ」

そう言って、

「板チョコ、うまいですからね」

と、この頭の円く禿げた民さんは僕に向って口をすすってみせるのだった。

民さんはしかし毎日の仕事はよくした。もっとも、牛を山へ追い上げてしまえば、牛はそこらで草を食っているのだから、たいてい日中を山で寝て暮すという。だが、酒が好きで、一杯やるときっと脱線する。二三日は帰ってこないのだ。