Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ

石川啄木集(下)

石川 啄木

Lesen Sie 石川啄木集(下) (いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ) von 石川 啄木 (いしかわたくぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.069 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

A ひと足ひと足新しい眠りに近づいて行く気持はどうだね。ああ眠くなったと思った時、てくてく寝床を探しに出かけるんだ。昨夜は隣の室で女の泣くのを聞きながら眠ったっけが、今夜は何を聞いて眠るんだろうと思いながら行くんだ。初めての宿屋じゃ此方の誰だかをちっとも知らない。知った者の一人もいない家の、行燈か何かついた奥まった室に、やわらかな夜具の中に緩くり身体を延ばして安らかな眠りを待ってる気持はどうだね。

B それあ可いさ。君もなかなか話せる。

A 可いだろう。毎晩毎晩そうして新しい寝床で新しい夢を結ぶんだ。(間)本も机も棄てっちまうさ。何もいらない。本を読んだってどうもならんじゃないか。

B ますます話せる。しかしそれあ話だけだ。初めのうちはそれで可いかも知れないが、しまいにはきっとおっくうになる。やっぱり何処かに落付いてしまうよ。

A 飯を食いに出かけるのだってそうだよ。見給え、二日経つと君はまた何処かの下宿にころがり込むから。

B ふむ。おれは細君を持つまでは今の通りやるよ。きっとやってみせるよ。

A 細君を持つまでか。可哀想に。(間)しかし羨ましいね君の今のやり方は、実はずっと前からのおれの理想だよ。