Japanische Klassiker mit Furigana
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せきゆのみやこバクーへ
石油の都バクーへ
宮本 百合子
Lesen Sie 石油の都バクーへ (せきゆのみやこバクーへ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.004 Zeichen · 16 Bildschirme
リージンの大柄な口紅を濃くつけた細君は、いかにも夫の手抜かりを攻める面持で、自分たちのいる横で二人だけあっちへのせろ、と云っている。リージンは自分から誘って坐席の割前を助かろうとした手前、ではあっちへ二人でとは云いかね、「そんなことは出来ない、女じゃないか」とこれも小声に力をこめて云い諍っている。
到頭詩人夫妻が小型に納まり、こちらは四人で動き出した。
チフリスのホテルも同じであったが、始めそういうことで心意気が見えすき、それに連関して細々と不快なことがあった。順に行くとクリミヤで同じ道を辿るので、一つ此処で、ぐっと方向を換えよう。バクーへ行こう。そこで、やや性急に自分たちのバクー行となったのである。
二
バクーへ着いて見て、自分たちは些かこれはしまったと思った。普通の暦でその日は金曜日に当ったからすぐ「アズ石油」へ行って油田を見せて貰えるつもりでいたところが、生憎その日はペルシアの日曜日――何かの宗教的祝日で、大通りの商店、事務所、すっかり表戸をおろしているのであった。
仕方がないから、自分たちは目抜の通りへ出て地図を買い、通行人に交って街をぶらつきはじめた。