Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme

Aozora Bunko

九

多分彼女はそこで、内らの気配に立ちすくんでいたのであろう。呼ばれて自分を取りもどした。彼女はすべてを察し、上りばなで小田原提灯に灯を入れていた。

九

馴れている大野順平は夜道のためにたいまつを持っていた。ガンビの白い樹皮をまるく巻きあげ、先端から火を焚くのである。まっ黒い油煙をあげる毒々しいほどの赤い焔が、濃厚な樹脂に執拗にしがみついて離れなかった。吹きおろす夜風も受けながしていた。たかだかとそれを捧げ、彼は先頭を、その堂々とした体躯でくら闇を押し割って歩いていた。

「苦労はたえぬものじゃ」

戸田老人は駈けだして、炬火で一服すいつけてそう云った。

お引取り下さいというのを、彼はつよく拒んで連れ立って来た。忠実に自分の気持に仕えているに過ぎないのだ。そしてここに、トウベツ探険のときの同勢がそろったということも、彼にとっては楽しい因縁であった。玉目三郎はどうなったか。あの折の彼の代りに安倍誠之助がうしろに跟いて来ている。その男は阿賀妻と並んで歩いている。羽織のすそに提灯を包んだ阿賀妻は、あかりを安倍の足もとに流してやりながら、思いだしたように彼の家庭についてたずねるのであった。