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Japanische Klassiker mit Furigana

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme

Aozora Bunko

もんだ、なア、半ぱものの長、長吉!」

どんと胸をたたいてぬッと肩をそびやかした。血のけのない顔に静脈を隆起させて、ぴくんぴくんと蠢めかせる恰好は、それはそれとして一種の凄みを見せていた。が、誰もおどろこうとはしないのである。みんな興ざめた顔になった。酒乱のものが現われたと見て取って腰をうかしはじめた。

「そいつは不可ねえ」と誰かが云った。トビの連中の一人であった。きれいに仕切りをつけろと云うのである。

浮腰たった人々を大きな声で呼びとめて、彼は松岡長吉にめくばせした。

「みなさん――」と、彼は云った、「手をしめますからお願いいたします、お手を拝借いたします」

シャン、シャン、シャンと手拍手が鳴りわたった。

「野郎ッ――だれの許しで」

棟梁はそうどなって、手許にあった五郎八茶碗を投げつけた。松岡長吉は首をすくめた。柱にあたってがちゃンと砕けた瀬戸ものを流し目に見ながら彼はしずかな声で云った――云うことが出来た。無頼な職人の恫喝が、その声を聞くたびに彼の気持を落ちつけていた。それを云いながら彼には、なすべきことがひとりでに目の前に描かれて来るのだ。

「みなさん、ご苦労さんでした、お引き取り願ってどうぞゆるりとお休みを」