Japanische Klassiker mit Furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
しかしここでは――未開の曠野にわけ入り、騒々しい新たに人間の往来する土地から、時と場所を隔ててしまったこの一団には、神々の体している意味は甦って導いていた。それを捧げて進むことによって安全なものを感じていたのだ。心を托するに足る何ものかになっていた。
「ともどもに安堵なさって下さるでしょう、それでは」
相田清祐は先導に出た。家中のものが順序によって従った。数歩を距って女どもが続くのであった。
彼らの一隊は出発した。脚はすたすたと急いでいた。高低起伏の幾曲りかを胸で感じて瞼を熱くした。徒歩の足さえ汗ばむのに、彼女らの男たちは、手でもってこれを平げたのである。
最後の坂路を下ったところで、先頭の相田清祐はちょっと歩を停めて後をふりかえった。それを云って人々の注意を喚び起さずにはいられなかった。
「これからが」と彼は力をこめて、「わがトウベツ!」
――これからがわがトウベツ。声は波うって、隊列のしんがりまで伝えられて行った。女どももやって来たのだ。裾をからげ、藁草履を足に結えて、男の足におくれまいと唇を咥えて急ぎながら。そうして眼をあげてはじめて周囲を見まわして、とうとう来た――と、顎ふかく頷いていた。