Japanische Klassiker mit Furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
列をなして、挙げて知藩事の前に出頭した家臣たちであった。彼らは文字通り自分の耳を疑った。たぶん贖罪の方法が指示されるだろうとは予想していたものの、先祖伝来の家屋田畑を召しあげることになろうとは、それは、かりそめにも考えに浮んだことはない。
その年も暮れにおし詰って、何と寒い日であったことか。みやぎ野には激しい風があれて、霜枯れた草を吹きたおしていた。昨日までは宗家として伺候した本藩の居城に於いて、彼らは一切を没収するという宣言を聞いた。そして、お慈悲による助命。
順逆をあやまったのだ。その罪のため直接削封を命じられたのは仙台の本藩であった筈だ。そこで、彼が返上に計上したのはその支藩の領土であった。解ったようで解らない理屈である。胸につかえるものがあった。それを口に出して云い得ないのは背後にある倫理であったにちがいない。即ち、彼らの支藩にとってはその宗藩が主筋になっていた。こちらの藩主にとって彼は主家であった。だから、場合によっては犠牲とならねばならぬのである。しかし、だから、困憊の前に立てば救いの手をのばして貰えるものであった。この関係を信義にした何百年かを知っている。