Japanische Klassiker mit Furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
しもその手下ででもあろう、同じくぬけぬけしい粗忽ものじゃわ、開拓使の本拠へ、白昼、事もあろうに、その開拓使をかたって迷いこみなさった、芝の山内に棲んどるちゅう狸にしては、これはちと迂濶すぎる、まことに、見るからに田舎ものじゃ、おい」
しかし下役のものは動かなかった。彼らは、口ほどにもない上役の圧迫された恰好を、むしろ胸のすく思いで眺めていた。なおそのとき、彼のうしろには、その上の官員が衝立のかげに立っていた。
「怠慢じゃ無いかア――手を束ねて見とれとるやつがあるかア――」と、この権中主典は棟の下一ぱいに響きわたるきいきい声で叫んだ。
彼の命令は空しいのだ。守衛のものどもは立ちあがらなかった。すると彼は、単純にむかむかして来た。いつの間にか衝立の下まで押しつめられていた。視線を据えたままじりじりと退って、今は彼のうしろは行き詰りであった。唇を鳴らして、白い手を振ったり拡げたり、前後に振りまわしたりした。
それにも拘らず相手はまた一歩前に出て了った。ぐいと狭くなった空間に胸苦しくなって、彼は首をねじって跳ねあがった。衝立のかげに脱れようとした。そして眼をあげて、そこに、鼻ッつらに、掘盛が立っているのを発見した。