Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme

Aozora Bunko

むろん阿賀妻は見向きもしないし、歯牙にもかけていなかった。気もつかなかったのだ。彼はまた彼自身の問題に囚われていた。袂のなかに腕を組んで、ぼんやり、疲れたようにつっ立っていた。

夕風が落葉をころがしていた。

今のこの会見だけでは、まだ何とも云いきることは出来ない。しかし、堀と彼との間には、何かすーすーと風の抜ける隙間が出来たような気がする。サッポロ本庁で話したときとも、イシカリ役所で論じたときとも、何れとも全然ちがった何ものかが、彼を変えているのだ。あのときから時はいくばくも隔っていない。場所といえば、これが、彼の云う東京の傲慢さかも知れない。力車を利用するようなことがすでに距離をつくった第一歩なのだろう。

「いかが致しましょう、――」と、属官はまた時計を見た。

鈴木権中主典はもうあたりに見えなかった。守衛が、よほどうす暗くなったそのあたりを、影のように行ったり戻ったりしていた。

「お宿はどちらかな?」

「それが、神田の淡路町でしてねえ」

「ご迷惑でなければ、ぽつぽつお伴させていただきましょうか、――大主典はいつ頃ご出府になられました?」

「と、申しますと、それは只今の、あの、堀監事どののことですか?」