Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
は?」
彼は奇声をあげた。また立ちどまった。突っ立って目を見はった。
「あれは、何でがしょう、え?」
旅から旅の行商人は、天候の動きにも敏感であった。一年のうち、正月の二十日間を除くほかは、挙げて旅に出て、そして二十年に及ぶというこの男は、自然と人間の境いめあたりに生きていたのであろう。
行く手――マシケ連山から流れて来た尾根のはずれに、白い煙がごッと舞いあがった。あッと思うまにそれはたたきつけられた。散らばり、ひろがった。あとには灰色の雪雲が奔りはじめていた。
「風が出て来た」
「出て来やした」と鋸屋は首をすくめた。
彼らのうしろから一かたまりの風がごッと吹きつけた。
「大したことはあるまい」
高倉はそう云って空を仰いだ。太陽は中天に赤くとどまっていた。何かもう、輝いているとは云えない寒々とした姿で、ただ、むなしく赤く見えるのだ。
「そうでしょうかね」
「そうだ――」と高倉は確信をもって云った、「ひるを過ぎると、この原野は、どんな日でも、必ず風が吹くのだ」
「急ぎやしょう」
「うん」
彼らは足もとを見つめて急いだ。幾分でも浅く雪を踏んで、少しでも歩きよくする道具のカンジキを見つめていた。