Japanische Klassiker mit Furigana
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さきゅう
砂丘
宮本 百合子
Lesen Sie 砂丘 (さきゅう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.141 Zeichen · 7 Bildschirme
そんなものなんかあてにしてやしませんやネ」
この言葉だけは昔の勢をのこして居るようにハギレよくひびいた。
少しでも女の様子に昔の有様の見えたと云うことは廃坑から又、新らしい石炭の層を見出したその時よりも嬉しい胸のおどる心地がして心からゆすり出るようなほほ笑みを私は口にうかべながら、
「マア、珍らしい事だ、よくそんな今までにないハッキリした口調に私のよろこぶような気持の好い事を云って呉れたネ」
「貴方って云う方は妙な御方だ事、私の云う事で私はこんな事はと思ってムカムカして云う口調を貴方はよろこんで居らっしゃる、だから、まるで私の嬉しがる事とあべこべの事をよろこんで居らっしゃるんですネ」
「世の中の苦労を、かみしめたものは、御前の思ってるよりあべこべの事をよろこぶものなんだ、そらね、赤坊から一寸育ったような小供はいい子だからねと云われるとくだらない用事をさせられてもよろこぶだろう、それと同じなんだネ」
「そんなもんでしょうか」
「それで御前はこれからどうすると云うんだネ」
「どうするって、どこか変えようかと思ってるんですよ」
「かえるもいいが、あんまり変えると何とか悪いことがおこりやしないかと思うんだけど…………」