Japanische Klassiker mit Furigana
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さばくのじょうねつ
砂漠の情熱
豊島 与志雄
Lesen Sie 砂漠の情熱 (さばくのじょうねつ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.132 Zeichen · 7 Bildschirme
千丈の堤も支えきれない大洪水の如き勢いを呈するだろう。そこにおのずからの情熱が醗酵されるだろう。――その情熱が砂漠の情熱に終ることのないようにということが、人間としての希望であらねばならぬ。ジョゼフ・フーシェからかくも突飛に連想が飛ぶのも、彼等が無性格に終る危険が多いからに外ならない。
連想はまた飛躍するが、日本の方々の河川の河原には、コンクリートの台柱の上に高い鉄塔をつけて、その上に高圧電気の線が架せられてるのが、幾つも見受けられる。河原に遊ぶ者は、時として、それらの電塔の上方、見上ぐるばかりの高さのところに、藁屑や草根や枝葉などが夥しく懸ってるのに、気付いて小首を傾げる。何のためにそういう塵芥をかけておくのか。登攀を防ぐためであろうか。そうではない。洪水の折、満々たる濁水に流されてきたものがそこにひっかかったのである。日が照り礫が白く乾いてる河原に立って、頭上遙かの塵芥のところまで濁水滔々たる洪水の折のことを想像すれば、思わず慄然とする。
日本の河川でさえそうである。治水を以て治国の要諦とされた支那の大洪水のことは、余りに有名であるが、また実に想像に余りあるものがあろう。