Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かみだな
神棚
豊島 与志雄
Lesen Sie 神棚 (かみだな) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.427 Zeichen · 44 Bildschirme
俺はただ一つ処にじっとしていないために、犬も歩けば棒に当るというくらいな気持で、ぶらりぶらり歩いたのだった。もう松や笹を立て並べて、年末の売出や買物に賑ってる街路を、俺は野放しの犬のように、鼻をうそうそさせながら、足の向く方へと歩いていった。人の手前では、まだどうにかなるだろうという、痩我慢の気持になることも出来たが、往来の雑踏のまんなかに、寒い風に吹かれてる一人ぽっちの自分を見出すと、もうどうにも仕方がなかった。昨夜の雨は雪にならずに済んだが、そのため却って道路がぬかってるし、空は薄曇りに曇って、いつまた冷いものが落ちてこないとも分らなかった。せめて外套でもあればまだ気が利いてるけれど……。どうして俺はこう貧乏なんだろう? どうして仕事もないんだろう? どうして世の中に正月なんて区切がついてるんだろう?……つくづく俺は自分の身がなさけなくなった。力一杯に働いていて貧乏するのならまだいい。仕事がなくて食えないほど惨めなことはない。どうして俺はもっと早く仕事を見付けなかったんだろう?……だがまあいいさ、四十九日が過ぎるまで母の喪に籠ったのは、せめてもの仕合せだ。