Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かみだな

神棚

豊島 与志雄

Lesen Sie 神棚 (かみだな) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.427 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

その自分自身が惨めで仕方なかった。

煎餅をかじったのが、却って腹のためにいけなかった。大急ぎで呑み込んだ固いやつが、空っ腹の底でごそごそしてるような気がした。そして一時間ばかりたつと、もりを一杯食うために、饂飩屋へ飛び込まずにはいられなかった。

さて、晩になって、俺はまた昨日と同じような破目に陥った。いくら何でも、このまま家へは一寸帰りにくかった。笹木のことで池部が来るかも知れないと思ったが、それももう面倒くさかった。蟇口の底を見ると、まだ三十銭残っていた。お久が今日の運動費に入れてくれたのが、それで全部になるわけだった。何に使ってくれようかと思ってるうちに、ふと小さな活動小屋が眼についたので、本当に財布の底をはたいてその中にはいった。

所が、はいってすぐバットに火をつけてると、白い上っ張りをつけた女がやって来て、あちらで吸って下さいと云った。俺はおとなしくその狭い喫煙所の方へ行った。水のはいったブリキの金盥をのせてる小さな卓子を、粗末な木の腰掛が取巻いていた。俺はそこに腰を下して、卓子に両肱をつきながら、ぼんやり煙草を吹かした。弁士の声や華やかな映画や広間にぎっしりつまってる看客などから、変に気圧される心地がして仕方なかった。