Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かみがみのびしょう

神神の微笑

芥川 竜之介

Lesen Sie 神神の微笑 (かみがみのびしょう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.156 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

――それも今の話ですが、たといこの造り変える力が、我々だけに限らないでも、やはり油断はなりませんよ。いや、むしろ、それだけに、御気をつけなさいと云いたいのです。我々は古い神ですからね。あの希臘の神々のように、世界の夜明けを見た神ですからね。」

「しかし泥烏須は勝つ筈です。」

オルガンティノは剛情に、もう一度同じ事を云い放った。が、老人はそれが聞えないように、こうゆっくり話し続けた。

「私はつい四五日前、西国の海辺に上陸した、希臘の船乗りに遇いました。その男は神ではありません。ただの人間に過ぎないのです。私はその船乗と、月夜の岩の上に坐りながら、いろいろの話を聞いて来ました。目一つの神につかまった話だの、人を豕にする女神の話だの、声の美しい人魚の話だの、――あなたはその男の名を知っていますか? その男は私に遇った時から、この国の土人に変りました。今では百合若と名乗っているそうです。ですからあなたも御気をつけなさい。泥烏須も必ず勝つとは云われません。天主教はいくら弘まっても、必ず勝つとは云われません。」

老人はだんだん小声になった。

「事によると泥烏須自身も、この国の土人に変るでしょう。