Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
「南部氏!」と呼びかけた。「今夜の立ち合い、止めにしましょう」
「よろしい」と云うと南部集五郎は落とした刀を拾い上げた。
パチンと鍔音高く立て、刀を納めた小一郎、「お別れ致す」と云いすてると、町の方へスタスタ歩き出した。
「何んだろういったい永生の蝶とは?」小一郎は歩きながら思案した。
「昆虫館とは何んだろう?」何が何んだか解らなかった。「それにしても美しい声だったなあ。心が一時に清まってしまった。……若い美しい娘なんだろう。……逢ってみたいような気がするなあ」
彼の屋敷は麹町にあった。そこへ帰って来た小一郎は、意外な話を聞いたものである。
四
意外の話を話したのは、他ならぬ清左衛門であった。
「それお前も知っている通り、この頃田安家と一ツ橋家とは、何彼につけて競争ばかりし、面白くない気勢が醸されているが、とうとう変なものを争うようになったよ」こんな調子に話し出した。「と云うのは、他でもない、江戸の四方五十里の内に、昆虫館という建物があり、永生の蝶と云われている雌雄二匹の蝶がいて、神秘の伝説を持っているそうだ。すなわち二匹を手に入れて、交尾をさせて子を産ませた者は、莫大な財宝を得られるとな。