Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
どこにも感情は見られない。惨酷な精神の持ち主が、惨酷の行いをやる場合、多くは無表情の顔になる。その惨酷な無表情な顔が、今の華子の顔であった。
杖の先がだんだん延びて行く。その先から今にも滴ろうとして、水銀色の醂麝液が、顫えを帯びて光っている。と、杖の先が、一息に、桔梗様の左の眼へ延びて来た。
この時外から聞こえて来たのが、「一式小一郎、田安家の家臣、我々の秘密の道場へ潜入致してございますぞ! 出合え!」という声であった。
「あッ、それでは一式様が!」
叫んで立ったのは桔梗様である。
と、ひときわ甲高く、リーンという音がした。すなわち華子が黄金の杖を、石畳の上へ突いたのである。
一本二本目の矢を払い、難を遁がれた小一郎は、築山を背に木立を前に、例によって太刀を下段に構え、この時ホッと息吐いたが、敵勢百人はあるだろうか、四方八方取り囲まれ、遁がれ出る隙間はなさそうであった。
と、左右から二人の敵が月光を刎ねて飛び込んで来た。
「うむ」と呻いたが小一郎は、左の一人へ太刀をつけ、瞬間足を踏み交えると、右手の一人へ太刀をつけた。
左手の一人は肩を割られ、右手の敵は真っ向を割られ、等しく弓のように反り返ったが、月でも捕えようとするように、両手を高く上げたかと思うと、そのまま延びて仆れてしまった。