Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

すると女馬子はどうしたものか、チラリとその眼を険しくしたが、すぐに、表情を取り返した。

「三浦三崎の関宿など、似つかわしいように存ぜられます」

「ああなるほど、そこがよかろう。では関宿へやってくれ」

小一郎はヒラリと馬へ乗った。ドー、ドー、ドーと馬子が云う。カパカパと馬が歩き出した。シャンシャンシャンと鈴が鳴る。旅が旅らしくなって来た。

「旦那様え」と女馬子は、手綱を引きながら話しかけた。「ご遊山旅でございますか」

「まあザッとその辺だ」

「ご遊山にはお寒うございます」ちょっと皮肉な調子である。

「寒さなどには驚かない」

「それはさようでございますとも」クスッと笑ったが話しかけた。「土地が高燥で半島で、木が茂っていて大きな池がある。そういう土地で旦那様は、何かをお探しなさいますので」

「何!」と云ったが小一郎は、かなり吃驚りしてしまった。「どうしてお前、そんなことを聞くのだ!」

「そういう土地には色々の不思議が、沢山あるからでございますよ」

「この女馬子怪しいぞ」はじめて気が付いた小一郎は、仔細に女を観察した。立派な体格で品がある。肌は白く、髪は多く、顔の道具も充分調い、上流の商家の娘のようだ。